自殺と社会的人口学的要因や環境的要因

原文:PROTOCOL OF SUPRE-MISS p83-84

自殺は個人的な行為です。しかし、自殺は社会的背景の中で起こるものです。一定の社会的人口学的要因や環境的要因は自殺と関連しています。

性別

過半数の国で、自殺は男性の方が多いですが、自殺未遂は女性の方が多いです。男性対女性の比率は国によって異なります。そのなかで、中国は農村部では女性の自殺数が男性の自殺数を上回る唯一の国です。中国では、農村部の女性の自殺数が都市部の男性の自殺率と同等です。

年齢

自殺はすべての年齢層で起こります。特に自殺の可能性が高いのは若者(15歳-34歳)と高齢者(65歳以上)です。自殺の危険を高める要因の存在と自殺の危険を緩和する要因の不存在が自殺に大きな影響を与えています。

婚姻関係の状況

離婚した人や死別した人、独身の人は結婚している人よりも自殺の可能性が高いです。一人で暮らしている人や別居している人は自殺の可能性が高いです。

職業

獣医や薬剤師、化学者、歯科医師、医師、農業従事者は自殺の可能性が高いです。なぜこのような傾向にあるのか明らかではありません。しかし、死をもたらす手段へのアクセスや仕事のストレス、社会的孤独、経済的理由が原因になっているのかもしれません。

失業

無職であるという状態よりも、職を失うということが自殺と関連していることがわかっています。失業は貧困や社会的困窮、家庭問題、絶望感を引き起こすことによって、自殺へとつながっているとも考えられます。

地域性

都市部で自殺がよくみられる国もありますし、農村部で自殺がよくみられる国もあります。

移住

農村部から都市部や違う地域や国に移住する人に自殺行動がよくみられます。移住は貧困や、劣悪な住環境、社会的支援の欠如や期待と現実の落差と関連しています。

ストレス

自殺者の過半数は自殺の3ヶ月以内にストレスがかかるいくつもの出来事を経験します。

そのようなストレスは、配偶者や家族、友人や恋人との口論といった人間関係の問題のこともあります。家族や友人との別れといった拒絶ということもあります。経済的損失や死別といったストレスが強い出来事のこともあります。失業や退職、経済的困窮等、仕事やお金の問題のこともあります。急激な政治的経済的な変化がストレスを引き起こすこともあります。重大な罪が暴かれてしまうことへのおそれや恥といった他のストレスもあります。

自殺の容易性

自殺するか否かを決定すじる重要な要素として、自殺する手段への簡単なアクセスがあげられます。自殺する手段へのアクセスを制限することによって、自殺を効果的に防止することができます。

自殺の見聞

自分の周りで、あるいは、メディアを通して自殺を見聞きして、影響を受けた若者が自殺するということが、わずかながらあります。

自殺未遂の経験

自殺未遂の経験や繰り返す自殺未遂は自殺と関連しています。自殺未遂者の10%-14%が自殺で命を落とします。

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